ドア開警告灯の取り付け

EOSのドアの下部には赤い反射板が埋め込まれています。これは夜間にドアを開けたときに後方から接近する車などにドアが開いているという注意を促すためのものだと思われます。しかしどうせならランプが灯いた方がより安全です。納車当初より「ここはランプではないのか・・・」とちょっと気にはなっていました。
納車から1年過ぎた今になって、純正パーツでランプにできることを知り、安全性が向上するものならとさっそく取り付ける事にしました。

標準の反射板
標準装備されているドアのリフレクタです。ただの反射板なので発光しません。

パーツの入手、加工

このドア開警告灯はピットハウス ロコさんで、ドアフット+ワーニングランプキットとして販売されています。さっそく購入したところ、以下のようなパーツセットが届きました。 内容は警告灯本体2個、コネクタ2個、ケーブル3本です。説明書その他は一切ありません。

ランプキット
キット内容の全て。何も知らずに買ったら途方に暮れること請け合い。

パーツを購入するだけではどのように取り付けるのか全く判りません。そもそも左右セットなのにケーブルが奇数の3本しかありません。よく見るとこのケーブル、3本のうち1本は先端のピンが異なります。実はこのケーブルは切断して半田付けでつなぎ直し、自分で4本のケーブルに加工する必要があるのです。

ケーブル先端部
ケーブル先端部。逆端も全く同じです。1本だけ違うピンです。

まず、1本しかないピンの異なるケーブルを真ん中で切ります(これをAとします)。次に2本あるケーブルを長さ1:3になる部分で2本とも切ります(これをBとします)。ここで先ほど切ったAと短い方のBをハンダ付けして つなぎます(つないだ箇所はもちろん絶縁テープ等で保護してください)。A、短いBとも2本づつありますから2本のケーブルが作れます。長いBも2本ありますので合計4本です。下の写真のように繋いだケーブルと長いBをペアにすれば、ケーブルの加工は終わりです。

ケーブル先端部
この写真で片側1セット分。1箇所の終端にピンがありませんがそれで正しいです。

実はこの接続法はインターネット上に書いてあり、それを参考にしたものです。

これらを見ると判りますが、ピットハウス ロコさんのキットは純正パーツを組み合わせて構成されていることが判ります。(左右1セット時の内容)

ドア内部の配線

上述のVWVortexフォーラムの内容などを参考にドア内部の配線を行います。ドアトリムの外し方はフロントスピーカー取り付けページにて書きましたので、そちらを参考にしてください。
ドアトリムを外すときにトリム側のスイッチとつながる紫色の32ピンのコネクタを外します。警告灯の配線はこのコネクタから取ることになります。
VWVortexフォーラムのパサートの例では、32ピンコネクタの1番、2番ピン(2番がアース)から取ることになっています。ゴルフVの例では1番、4番ピン(4番がアース)から取ることになっています。どうやら車種によりピンアサインが違うようです。EOSでも総当たりで調べなければなりません。

アースは元々のコネクタの配線から2番ピンであることがすぐ判りました。目的の警告灯出力は1番ピンでした。この部分に関してEOSは、パサートと同じピンアサインということが判りました。

※ 注意 ※
私が持っているBentleyのリペアマニュアルによると2006年11月以降製造の車両はこの32ピンコネクタのピンアサインが全く異なっているようです。アースが2番ピンから21番ピンに移動しており、1番ピンも別目的で既に使われています。もし取り付けを行う場合には、必ずご自分の車両のコネクタ配線をご確認ください。

配線探し
コネクタのピンから警告灯用出力を総当たりで探し中

空きピンである警告灯出力(私の車両では1番ピン)から配線を取り出すためにドアトリム側のコネクタを分解します。下の写真の上部の紫色の蓋のようになっているカバーを外せばコネクタの中身が取り出せますので、空きである警告灯出力にキット付属のケーブルのピンを差し込み、元に戻します。アース(私の車両では2番ピン)には既にアース用ケーブルのピンが挿さっていますので、アース配線途中からエレクトロタップ(キットには付属していないので別途用意)で取ることになります。このためにケーブル端にピンが無いものがあった訳です。

トリムの32ピンコネクタ
トリムのコネクタを分解するには上部の紫色のカバーをスライドして外します。

後はキット付属の警告灯側用のコネクタにケーブル反対側のピンを差し込んで完成、なのですがここで要注意です。警告灯は電球なので極性がない、と思いがちですが実はパーツ内にダイオードが入っており極性があります。従ってコネクタにピンを間違えて挿すと電球が点きません。警告灯用コネクタに刻印してある番号1番にトリム側からのアース配線を挿し、2番にトリム側の警告灯出力を挿します。
これで配線を整理して、リフレクタを警告灯と入れ替えれば内部配線は完成です。助手席側も同様に配線します。

ドア開警告灯配線写真
完成したトリム内部の配線写真。ケーブルが意外と短いので直線配線でぴったりぐらいでした。

VAG-COMでドアモジュールのコーディング変更、完成

実は配線しただけではドア開警告灯は全く動作しません。ドアのコントロールECUが"警告灯は装備していない" と設定されているためです。動作させるためにはVAG-COMでECUの設定を変える必要があります。 "42 - Door Electronics Driver"と、"52 - Door Electronics Passenger"の両方のコーディングを変更します。 第7ビットをセットすると"Door Exit/Warning Light installed"になります。10進数では+64ですので私の場合は運転席側は0000695だったものを0000759に、助手席側は0000694だったものを0000758にセットしました。
(実際には配線探しのために取り付け前にこの設定を行っていました。ただしそうするとドアモジュールで表には表れない"警告灯球切れエラー"が発生します)

これでドア開警告灯が点灯するようになりました。夜間は単なるリフレクタよりも圧倒的に存在感があり、後方から接近する車両には効果的です。また、下部が透明になっているのでエントリランプとしての役目も果たしてくれます。

ドア開警告灯完成
完成した警告灯。実用性も充分だが、ダミーっぽかった装備が消えたのも個人的には嬉しい所(笑)。

目次へ戻る

2007.12.29

kaishi.00+web@gmail.com