EOS V6の日本仕様はメーカーオプションの「18インチアルミホイールパッケージ+MMS」を選択しない限り、インテリアトリムはポプラウッドになります。これは完全に個人の嗜好の問題なのですが、私も妻もウッドの内装が好みではありません。明るいポプラウッドはコーシルクベージュのインテリアに以外とマッチするので、とりあえずは許容範囲でしたが、やはりウッド以外の内装にしたくなりました。
米国の純正オプションを主に扱うサイトOEMPL.USで純正トリムを扱っています。ここでカラーを見るとウッド系以外ではチタングレイやアンスラサイトなどのグレイ系と、ブラッシュドアルミやエンジンスパンアルミニウムなどのアルミ系が主であるようです。しかし私が気に入ったのはピアノブラックでした。これはドイツやイギリスで販売されているEOS Individualという特別仕様車に使われているトリムです。EOS Individualではシートやインテリア全体が白黒のツートーンになっていますが、私としてはウッド部分だけを取り替えられれば充分です。そこでピアノブラック化を目指してパーツを探すことにしました。
ウッドトリムを交換する前にフロントの灰皿を蓋付きの小物入れに交換します。トリム交換前は標準でついていた灰皿をC/A Sportのスマートトレイに交換していました。元々はブラック単色のものを自分で塗装して取り付けていましたが、トリムをピアノブラックに交換するのであれば、ここもピアノブラックのパネルが取り付けられる蓋付きの小物入れに交換したいと考えました。
蓋付き小物入れはEOSオーナー仲間の永尾さんの平行輸入車に装着されていたので存在するのは知っていましたが、パーツナンバーが判りません。VW Maniacsさんに注文のための調査をお願いしましたが、パーツナンバーがはっきりしないとのこと。そこで永尾さんにパーツナンバーを調べていただけないかお願いしたところ、自分はスモーカーなので日本仕様の蓋付き灰皿と交換してもよいという思いがけないお申し出を頂きました。今回はありがたく交換させていただくことにしました。
交換させて頂いた蓋付き小物入れに刻印されていたパーツナンバーと、VW Maniacsさんから頂いた情報を参考に灰皿周りのパーツとパーツナンバーを整理すると以下のようになりました。
写真 | パーツナンバー | 部品名称 | 解説 |
---|---|---|---|
1K0 857 961 | 灰皿 | 日本仕様標準の灰皿です。蓋と周囲の表面パネルは別パーツになります。 | |
写真無し | J1K EG3 A01 | ノンスモーカートレイ | 上の灰皿部分にはめ込んで使用する起毛トレイです。日本VWのアクセサリオプションとして購入できます。 |
1K0 857 961 A | 灰皿代わりのダストボックス | 蓋付きの小物入れです。「インサート,荷室用」は中に敷くゴムマットです。Snailさんが購入された情報によると1K0 857 961 Aの「灰皿代わりのダストボックス」のパーツにゴムマット、シガーライターソケット、カバーも付属してくるそうです。蓋と周囲の表面パネルのトリムパーツは付属しません。 | |
1K0 863 330 A | インサート,荷室用 | ||
1K0 857 925 C | シェルフ | C/A Sport「スマートトレイ」として売られているものです。上の蓋付き小物入れのSnailさんの情報から想像するにこの1K0 857 925 C「シェルフ」のみを取り寄せれば「スマートトレイ」と同様にゴムマット、シガーソケット、カバーが付属してくるのではと想像されます(未確認)。 | |
1K0 863 330 | インサート,荷室用 |
上の表の内容はblogにも記載しております。(少し詳しく書いています)
これらのパーツの交換方法は永尾さんのblogで詳細に解説されていますのでご参照ください。
VW Maniacsさんには肝心のピアノブラックパーツの調査もお願いしていました。左ハンドル用であれば前述のOEMPL.USからも購入できるのですが、右ハンドル用はweb上では扱っていません。イギリスにもEOS Individualがありますので右ハンドル用のピアノブラックパーツも存在するはずです。結局調べていただいた結果、以下のように判明しました。
パーツナンバー | パーツ名 |
---|---|
1K2 858 419A 1X3 | Dash Piano black trim |
1K2 858 420A 1X3 | Dash Piano black trim |
1K2 858 529A 1X3 | Dash Piano black trim |
1K0 857 351A 1X3 | Ashtray cover Piano black |
1K0 863 487A 1X3 | Ashtray surround trim Paino black |
上3つは前部インパネのステアリング左右、グローブボックス上に付いているトリムです。下2つは灰皿部の蓋と周囲のパネルのトリムになります。1X3がピアノブラックのナンバーで、色によってこの3桁が変わることになります。また、1K2は右ハンドル用のナンバーで1K0だと左ハンドル用(あるいは汎用)になるそうです。
問題は左右のドアに付いているウッドトリムです。調査の結果によるとドアのウッドトリムは単体でパーツとして存在しません。なんとドア内側のトリム全体で1パーツになっているとのこと。添付されていたパーツカタログの画面コピーを見るとドアのウッドトリムの箇所は「モールディング、代替パーツ無し、以下アイテムに付属」となっており、「以下アイテム」はドアトリム全体でした。
さすがにドアトリム全体を取り替えるのはお金がかかりすぎます。そこで実際にパーツを外してみることにしました。するとトリム裏面はプラスチックリベット溶解により留まっています。確かにこれではリベットを壊さないことには外れません。意を決してリベットをニッパーで壊し、外してみるとドアのウッドトリム自体にもパーツナンバーが刻印されていました。一応このパーツナンバーでパーツが取り寄せられるかを再度VW Maniacsさんに確認して頂いたのですが、残念ながらやはり取り寄せ不可能でした。
前部インパネ3点、灰皿部2点、合計5点のトリムの価格は約8万円でした。これはトリムのカラー、発注時の為替レートなどで変動しますので私の場合の参考価格と考えてください。
ドアのウッドトリムは単体パーツとしてピアノブラックに交換できないことが明白になりました。しかし、そこまで明らかになったので逆に「ドアのウッドトリムは塗装してしまおう」という決心が付きました。
早速ネットで信頼できそうな塗装業者さんを検索。リペイント過程をサイトにアップしており、それを見ると大変な職人魂をお持ちと見受けられる"おもしろ塗装工房"ゼストさんにお願いすることにしました。
ただポプラウッドのウッドトリムは実際はパーツとしてはかなり高価なもの。ブラッシュドアルミのトリムが標準装備のEOS 2.0Tにお乗りのSinnaさんが自分の車をウッド化したいということで、前部インパネ、灰皿部と合わせてポプラウッドトリム一式をお譲りしました。代わりにドアのブラッシュドアルミトリムを貰い、こちらを塗装することにします。
さてゼストさんとメールで相談した所、やはり色見本として純正パーツが必要とのことで、純正パーツの到着を待ち、到着してすぐにドアのブラッシュドアルミトリムと共に発送して塗装依頼をしました。その後の塗装過程はゼストさんのリペイント経過のページで見ることができます。
このとき、思いつきでステアリングバッジの塗装もお願いしたのですが、テストしたところバッジのプラスチック素材が塗装溶液で熔解してしまうとのことで塗装不可能でした。しかし、怪我の功名でしょうか、今一度VW Maniacsさんに調べていただくと、ステアリングバッジはEOS Individual用のピアノブラックの純正パーツがあるとのことで、そちらを購入することにしました。
さて経過ページを見ながら待つこと約一ヶ月、完成して送られてきたパーツはまさに純正パーツそのもの、全く同じ色と言っていい素晴らしい出来映えです。塗装のお値段はドアのトリム左右で31,500円でした。依頼する色、元の素材などによっても変わると思うのであくまで私の場合の参考の価格と考えてください。
出来上がったピアノブラックトリムを取り付けます。インパネの3点については、金属フックで留まっているのでこじって外し、新しいトリムを押し込んではめ直すだけです。灰皿部の取り付けに関しては前出の永尾さんのblogに詳しく記載されています。
ドアのトリムはリベットは壊してしまったので、裏からタッピングねじで留めています。ほとんど奥行きがないので注意してください。長さ10mmのねじでも留める場所によっては突き抜けてしまいます。ドアトリムの取り外し方はフロントスピーカー取り付けのページを参考にしてください。
結果的に調査に約2ヶ月、純正パーツ発注から到着までに約1ヶ月、ドアのトリム塗装に約1ヶ月と、合計約4ヶ月の期間を経てピアノブラックトリムのインテリアができあがりました。
こうして完成したピアノブラックトリムの内装ですが、明るいベージュの中に落ち着いたピアノブラックが映え、ボディカラーのディープブラックパールエフェクトとのマッチングも良いです。ピアノブラックトリムが標準装備されるEOS Individualのインテリアはこのページやこちらのページで見ることができますが、私の個人的な好みからすると元々もEOS Individualは洗練されてはいるものの、ちょっと黒が多すぎてもう少し明るいイメージの方が好みだったので、私としては完成したインテリアはほぼ完璧と言ってもいいぐらいの、非常に満足度の高い結果となりました。
調査していただいたVW Maniacsさん、素晴らしい塗装をして頂いたゼストさん、いろいろ協力して頂いた永尾さん、SinnaさんをはじめとするEOS仲間にお礼を申し上げます。
2007.12.09
kaishi.00+web@gmail.com