7月の3連休中に久しぶりにつらつらとVWvortexのEOSフォーラムを見ていると「ルーフコントロールモジュールはどちらが良いのか?」という話題を発見しました。
既に購入したLuxay Car Tuning社の他に、いつのまにか同様のモジュールがmods4carsという所から出ているようです。フォーラムによるとほとんどの人がmods4carsの方が良いと書いています(主としてl-c-tはサポート面が駄目という意見でした)。
mods4carsの本拠地はドイツでポルシェ用のルーフモジュールは日本でも扱っている店があるようです。現状のl-c-tのモジュールも基本機能に問題はないのですが、以下の面に不満があります。
この他にもおまけ機能が標準機能との重複が多かったり、なんとなくあまり洗練されていない感じを受けます。
mods4carsはwebサイトで機能をみるとなかなか良さそうです。またサイトでマニュアルが公開されているのにも好感を持ちました。さらにヨーロッパが本拠地ということは各国対応、特に英国がありますから右ハンドルにもきちんと対応している可能性が高いです。サイトのマニュアルを見ているうちにすっかり買ってみる気になってしまいました。
mods4carsのwebサイトのオンラインショップからクレジットカードで直接購入しました。BlueGateの3Dセキュアという本人認証システムに対応しており、日本のカード会社のオンライン認証ページに飛んだので驚きました。海外の小企業のサイトが対応しているのを見たのは初めてです。
代金は249ユーロで、なんと国外発送も基本送料は無料です。ただ無料配送の配送会社に何が使われるのか判らなかったので、15ユーロのUPS International Expressによる配送オプションを選びました。これならトラッキングもきちんとできるはずなので安心です。l-c-tは$396.55でしたので日本円だとほとんど同価格です。
7月15日(日)の夜に購入したのですが、日本への発送はアメリカ支店から送られるようです。現地は土曜午前なので、実際の発送は現地が週明け月曜になってからになります。結局17日(火)早朝に発送完了メールと共にUPSのトラッキングコードが送られてきました。現地時間の月曜午後に集荷されたことになります。その後度々UPSサイトで状況をチェックしましたが、さすがUPS Express,18日朝には成田に到着してしまいました。アメリカ東部で集荷されてからほぼ24時間で成田到着、まるで国内宅配便並の速さです。ただその後の通関に夕方までかかり、自宅で受け取ったのは19日午前でした。サイトでの購入からは3日半かかっていますが週末がなければ実質2日半です。Expressオプション料金を出しているとはいえ、海外購入では最速記録です。
mods4carsのサイトのマニュアルに取り付け方法は記載されていますし、l-c-tモジュールの取り付け方法と全く同じなのでそちらを参照してください。
一応モジュールの大きさの写真だけ撮りました。同じポケットナイフが横にあるので較べてください。l-c-tより大きいですが、元々が小さいものなので大した問題ではありません。
l-c-tと違いバック信号を別に取らないのはスマートです。その代わりかは判りませんが横取りする信号が4本から6本に増えています。違いはそれだけです。
smartTOPの機能についてはwebサイトにマニュアルもあるのですが、実際に動作させないと判らないところも含めて解説します。また要所でl-c-tのモジュールと比較しています。
とある手順でボタン類を操作するとモジュールの設定画面に入ります。この辺りはl-c-tモジュールといっしょです(ボタン操作法は違います)。モジュール自体をOFFにすることもできますが、設定画面を出す操作だけは受け付けるのも同様です。なお、l-c-tでのメニュー操作や設定値変更は、純正のMFD設定と同じくワイパーレバー先の設定スイッチを利用するのですが、mods4carsのモジュールは面白いことになぜかルーフスイッチとサンルーフスイッチを使います。ルーフスイッチがメニュー移動、サンルーフスイッチが設定値変更です。なんでこんなスイッチを使うのか…
以降で設定メニューの項目を紹介し、その後メニューの項目に従って説明していきます。
このモジュール全体のON/OFFをします。モジュールをOFFにすると全ての機能が設定に関わらずOFFになり、モジュールが無いのと同様の状態になります。マニュアルによるとこのMain SwitchをOFFにすると「ディーラーの正規コンピュータ診断装置でもモジュールの存在が判らない」状態になるそうです。そこまでは確認できませんが、機能としてはOFFにすると確かに全てが純正状態になるのを確認しました。
[2008年 4月]
アップデートを行った結果、この項目はRHD/LHD/OFFの3つから選択するようになりました。つまりONの時は右ハンドル(RHD)か左ハンドル(LHD)かを設定します。これによりPark Assist機能の動作が変わります。
アップデートの経緯については最後の[追記]をご覧下さい。
ルーフ開閉レバーの操作を設定します。MANUALは標準と同じくレバーを倒している間だけ動作し、離すと同時に止まります。
ONETOUCHではレバーを離しても動作を続行しますが最初のレバー操作により動作が変化します。
DELUXEモードでは開閉動作途中にエンジンを止めてキーを抜いても開閉動作を続行します。
このワンタッチ操作ですが、l-c-tでは「1秒以上レバー操作して離す」だったのですが、mods4carsでは本当に「クリック」です。少し長くレバーを倒し続けてしまうと開閉動作自体が始まりません。
走行中のルーフ開閉を可能にします。l-c-tと違い、0km/hが設定できるので走行中開閉を許さないように設定できます。またkm/hとmile/hが両方同時に表示されるのでl-c-tモジュールのような速度表示の設定はありません。
ただし、標準やl-c-tとは非常に大きな違いがあります。この設定速度は開閉動作開始時の制限速度であり、開閉動作中に設定速度を超えても開閉動作は止まりません。標準では車が動き出すとエラー表示が出て開閉動作が中断します。l-c-tモジュールも同様に設定速度を超えると"Speed Limit exceeding"のMFD表示と共に動作が中断し、速度が戻ると再開します。ところがこのモジュールは動作開始時に設定速度以内であれば動作中にどんな速度になっても開閉動作は最後まで止まりません。例えば0km/hに設定しておいても停車中に動作開始すれば、開閉動作中に発進して例え100km/hになっても動作は中断しません。(本当に100km/h出して確認してはいませんが色々試した結果から類推すればそうなるはずです)
Roof ControlをMANUALにしても同じです。MANUALでは標準時のようにレバーを倒している間だけ動作しますが、途中で手を離しても再度レバーを倒せば速度に関係なく開閉は再開します。速度チェックしているのはあくまで「開始時」だけです。
純正リモコンでのルーフ開閉を可能にします。同時にウィンドウとサンルーフの開閉をも可能にします。
ONETOUCHに設定すると機能が有効になり、DELUXEでは開閉動作中にキーを挿して始動しても動作が止まりません。
この機能の使い方はちょっと複雑です。以下はキーリモコンのボタンの操作です。
以上が「開く」動作で、以下は「閉じる」動作。
「サンルーフだけ閉じたいときは?」と思いましたが、その際は"LOCK"ボタンを押し続けていればルーフが閉じる動作の一環としてサンルーフだけが閉じます。
ルーフ開閉を指示した際にウィンカーが5回高速点滅するのは何らかのエラー(PDCで障害物発見、トランク内コンパートメントカバーがセットされていない等)が発生したことを表します。
上記のリモコンルーフ開閉時にPDCセンサーの情報をどのように扱うかを設定します。リモート動作時はエンジンがかかっていないため、基本的にはPDCが動作しません。
"OFF"はPDCは全く使わず、後方障害検知はしません。
"LAST ONCE"と"LAST UNTIL IGN"は最後のリバース時のPDCの状態を記憶し、警報が出ていたのであればリモコンでのルーフ動作を受け付けません。両者の違いは"LAST UNTIL IGN"ではエンジンを始動しリバース時にPDCの警報が出ない状態にしない限りリモコン動作を受け付けませんが、"LAST ONCE"ではリモコンから再度開閉指示を行うとルーフ動作を開始します。
"REALTIME"は実際にPDCを動作させて障害物を確認します。マニュアルには「エンジンがかかっていないのにPDCをリアルタイム動作させられるのは我が社のモジュールだけ」と誇らしげに記載されており、このモジュールの特長であるようです。ただしその後に「エンジンがかかっていない状態ではPDCから必ず正しい応答が返ってくることが保証できません」と書いてあるのはご愛嬌ですが。
いずれにせよ「どのような設定でもリモートでのルーフやウィンドウ動作は必ず目視で安全を確認して行うこと」と大きな注意書きがありますので気をつけましょう。
自動ドアロック機能です。LOCK ONLYは走行し始めると自動でドアロックされます。LOCK+KEY OUTはそれに加えてキーを抜いた時にドアをアンロックします。LOCK+IGN OFFはキーをOFFにした時にアンロックします。
これは標準でもMFDからほぼ同じ機能を設定できるので、機能が重複している気がします。国によっては設定できないのでしょうか?
ルーフの開閉レバーの動作を逆にします。INVERTEDで逆になり「引くと開き、押すと閉まる」になります。素晴らしいのはルーフ開閉レバーと同時に同位置にあるサンルーフレバーも動作逆転する所です。l-c-tモジュールではルーフレバーだけで、しかもOFFにできません。
ドアにある全ウィンドウ開閉スイッチをワンタッチ動作可能にします。(標準ではスイッチを操作し続けないといけない) これはl-c-tモジュールに無かったオープンカー向けのとても気の利いた機能だと思います。オープン走行時は、高速に乗るときに全サイドウィンドウを上げて、高速を降りたら下ろすということをよくやりますので。 ただ挟み込みには重々注意する必要があるでしょう。
始動時にモジュールのウェルカムメッセージをMFDに表示するかどうかを切り替えます。ONにしても始動前にシートベルトをしてないと"fasten Seatbelt"メッセージに遮られて見られません。ここはl-c-t-モジュールの方が時間差で表示していたので良く出来ていました(全然大した問題ではないですが)。
助手席サイドミラーの「リバース連動角度調整機能」です(2008年モデルから標準装備との噂ですが)。ミラー調整レバーが"R"位置の時のみ機能します。右ハンドルでも"R"位置なのですが、下を向くのはちゃんと助手席側ですのでご安心を。左右方向には動かず、まっすぐ一番下に動いて戻るだけですが、これで必要十分で便利に使えます。-9から+10の範囲を設定しますが、これは復帰時の角度の微調整です。最初は"0"に設定してみて復帰時に上下にずれてしまうようなら、-もしくは+方向に修正設定します。
[2008年 4月]
アップデートを行った結果、Main Switchの項目でRHDを選ぶと、この機能はミラー調整レバーが"L"の位置で機能するようになりました。もちろん下を向くのは助手席(左)側のミラーです。
アップデートの経緯については最後の[追記]をご覧下さい。
リモコンでのルーフやウィンドウの動作中にウィンカーランプがハザード点滅するかしないかを設定します。窓とサンルーフ動作時はゆっくりの点滅、ルーフ動作時は通常のハザードと同速度の点滅です。デフォルトでONになっており、リモコン動作時にはハザード点滅を推奨しているようです。
リモコンでドアロック/アンロック時にウィンカー点滅の他にホーンも鳴らすようにできます。LOCK ONLYでロック時に1回、LOCK+UNLOCKでアンロック時にも2回鳴るようになります。北米仕様は標準でホーンも鳴るらしいのですがその時はどうなるのでしょうね…
この機能をONにすると、既にアンロックされている状態でリモコンの"UNLOCK"ボタンを1クリックすると全ウィンカーが30秒点灯します。既にロックされている状態でリモコンの"LOCK"ボタンを1クリックしても同様です。恐らく真っ暗闇の中で自分の車を探すようなシチュエーションで有用な機能だと思います。
全体を通してl-c-tのモジュールと比較すると、こちらの方が機能が洗練されているイメージです。標準機能との重複もあまりなく、各機能もほとんど全て独立にON/OFFできます。日本仕様でもリバースアシストが正しく動作するなど、各国仕様にきちんと対応しています。サンルーフスイッチも同期した開閉スイッチの逆転、オープンカーに嬉しい全ウィンドウ開閉スイッチワンタッチ化などオーナーの要求が判っている感じです。
リモコン操作はルーフ、サイドウィンドウ、サンルーフ開閉を全て実現したためにごちゃごちゃしていますが、
要は「窓が動き始めたら離せば窓だけ、とにかく押しっぱなしならルーフ」ぐらいで覚えておけば良いでしょう。
最大の問題は「ルーフ開閉の速度制限が開始時のみ」というところでしょう。確かに途中で止まるよりは最後まで動作してしまったほうが結果的には良い場合も多いかとは思います。しかし標準でも車が動き出すと途中で停止するのだからそれを尊重して準じた動作をする方が良いのでは? という気がします。まあ「走行中開閉できるようにしておいて尊重も何もない」と言われればその通りなのですが。
この点がOKであれば、l-c-tモジュールよりsmartTOPモジュールの方が明らかに優れてると言ってしまってよいでしょう。私は特に全ウィンドウスイッチワンタッチ化が気に入りました。ルーフ開閉動作時にMFDメッセージがきちんと出るのも嬉しいです(これが当然なのですが)。個人的にはどうせ走行中開閉は使う気が無く、l-c-tモジュールでも使っていませんでしたので、smartTOPモジュールはあらゆる点で交換して良かったです。
このページを公開した直後にmods4carsから直接メールが届きました。当時の様子は自分のblogのコメントで少し書いていますが、メールのやりとりの中で私が「パークアシスト機能は右ハンドルではミラー調整レバーが"L"で動作してくれると嬉しい」と書いたところ「機会があったら修正する」という返事をもらっていました。
私は購入直後こそパークアシスト機能を使っていたのですが、やはり何回も使用しているうちに微妙にミラーの位置が元の位置からずれてきます。しかしそれを微調整しようとそのままレバーを倒すと"R"位置で動作しているものですから意に反して運転席(右)側のミラーが動いてしまいます。この間違いを何度も繰り返してしまい、とうとう嫌になってパークアシスト機能自体を使わなくなってしまいました。(レバーは"R"位置以外にほぼ常時セット)
そして以前のやりとりなどほとんど忘れていた約9ヶ月後の2008年4月、mods4carsから「修正したのでモジュールを送ってくれればアップデートする」とのメールが届きました。mods4carsの方は忘れずに約束を守ってくれたのです。早速モジュールを外して送付したところ、すぐにソフトウェアのアップデートがされて戻ってきました。
修正後の動作は各項に書いてあるとおりですが、パークアシスト機能が"L"位置で動作することにより、ずれた時の微調整も直感的に間違えることなく行えるようになりました。私にとっては使わなくなってしまった機能が便利に使えるように復活したので非常に満足です。一ユーザーの頼みをきちんと反映してくれたmods4carsのスタッフに感謝。
なお、この項目を書いている現時点でこのアップデートが今後のsmartTOPの出荷分に反映されるのか、また既存ユーザーに対して何らかのアクションが行われるかは判りません。少なくともmods4carsのオンラインマニュアルは(本項執筆時点では)昔のままです。何か判りましたらこの項目を修正することでお知らせします。
2007.7.19 (2008.4.11 追記)
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