お知らせ

2006年11月にSAABを手放しました。このページは残りますが、更新はされません。

フィルムアンテナの取り付け

TV用のロッドアンテナはつけないでいた私ですが、最近(2000年暮)になってフロントガラスに貼るTV用フィルムアンテナがあるのを知りました。基準が変わり、条件を満たしたものであれば車検を通るようになったので開発されたものだそうです。
相変わらずテレビは見ない私ですが、これをつけて一本をカーナビにまわせば、カーナビのVICS-FMを受信するためにほとんど出っぱなしになっているロッドアンテナを引っ込めることができます。しばらく悩んだのですが出っぱなしのロッドアンテナは劣化も早そうですしタワーパーキングで引っ込めるのに手間取ることもしばしばなので購入することにしました。

製品は原田工業のPAULS IIIというもの。フィルムアンテナは4枚に別れており、VHF low2枚, VHF High, UHFという構成になっています。このうちVHF lowは、VICS-FM受信用も兼ねており、カーナビに接続する事によりVICS-FMアンテナとして使えます。私はこれが目的ですから1枚をカーナビに回し、残りの3枚をカーTV用に接続することにしました。

まずはフィルムアンテナを貼るためにフロントガラスの準備をします。車検と法定点検のステッカーを一旦はがします。後で貼りなおすためにゆっくり丁寧に剥がしていきます。これが終わったらガラスクリーナーなどを使いフロントガラス内側を清掃します。きれいになったら貼りこみです。
説明書通り、セラミックラインの下に合わせるように貼りこんでいきます。SAABの場合、バックミラー周辺にはセラミックラインが非常に大きく周りこんでいますがこの部分については、セラミックラインの上から貼ってしまうことにします。貼り付けのコツはきれいな水を用意し、ガラスとフィルムアンテナを良く濡らしておくことでしょう。水で濡れているあいだなら少々間違えても貼りなおし可能です。

貼り終えたら乾かす間に配線の準備をしましょう。まず、サンバイザを台座部のねじを外して取ります。バニティミラー用の配線がありますがスポンジで覆われたコネクタがありますのでスポンジを剥いてコネクタを外します。サンバイザキャッチャー部もねじを外して取ります。サンバイザの次はルームランプを外します。これはドライバで縁をこじれば簡単に外れます。配線のコネクタも外してしまいます。これでフロント上部のトリムを取り外すことができます。トリムは順番さえ間違えなければ単に手で引っ張って外すだけです。まず右側端に小さいトリムがありますので最初にこれを外します。次にフロント全体の大きなトリムを外します。最後に助手席側のAピラーのトリムを外します。カーナビやオーディオユニットの取り付け時と同じ要領でグローブボックスも外しておきましょう。

トリムを取り外した写真
フロントガラス上とAピラー左側のトリムを取り外しました。

次は配線です。配線の前にケーブルの1本に製品添付のシールを貼ってFM-VICS用であることが判るようにしておきます。PALUSにはブースターアンプがついており、アンプとフィルムアンテナ間のケーブルとアンプとチューナー間のケーブルに別れています。チューナーへのケーブルは2本が一対になっています。3本はTVユニットがあるセンターコンソールへ回しますが、1本はカーナビがあるトランクへと配線します。よってケーブルの1対は完全に裂いてしまい、コンソールへいくものとトランクにいくものに別れることになります。
アンプからフィルムアンテナへのケーブルはアンプに直付けされていますのでこの配線は必然的に下から上へと配線することになります。幸いケーブルに適度な腰がありますので下から上へと重力に逆らう方向ですが配線を通すのは楽です。ブースターアンプには電源が必要となりますのでアクセサリ端子から電源を取り、アースもしっかりとっておきます。
次にカーナビへFM-VICS用の配線を通します。これはカーナビ配線と全く同じ通し方でOKです。コンソールのメインユニットへも残り3本を配線します。

次にフィルムアンテナにケーブルをつなぐ準備をしましょう。フィルムアンテナ側のケーブルは1本1本アンテナのすぐそばでアースを取る必要があります。配置をうまく考えればサンバイザのねじに共締めでアースが取れないことはないのですがそうすると、トリムが少し浮いてしまいますし、接触も不安なのでドリルで専用のねじ穴をあけた方が良いでしょう。
アースが取れるようになったらフィルムアンテナに給電部を貼ってケーブルをつなぎます。FM-VICS用のケーブルには前もってシールが貼ってありますからそれだけ間違えないようにすれば配線は終了です。あとはトリムなどを元通りに戻せば完成です。

さて、フィルムアンテナですがかなり注意して気泡ができないよう貼ったのですが3日ほど経って、アンテナとガラスの間の水分が抜けたと思った時期に見るとかなりの張りむらのようなものができてしまいました。これは失敗したと思ったのですが2週間ほど経過したらぴったり綺麗になりました。張りむらに見えたのは水分が中途半端に抜けたせいだったようです。水分が完全に抜けるのには思ったよりも相当時間がかかるようです。逆に言えばそれまでの間、フィルムアンテナの接着が弱いということですからもしガラス内側を拭くときなどは注意したほうがよいでしょう。

さて気になる感度ですが昔の車につけていたパイオニア純正の外付けロッドアンテナと大差はないという印象です。もっとも車でテレビはほとんどみたことがないのであまり参考にはならないかもしれません。ちなみに走行中は相当ノイズ混じりで私の基準では見るに耐えないです。これは昔のロッドアンテナでもそうでした。停止すると場所にもよりますが走行中からは想像できないほどかなり鮮明に映ります。
私個人的にはテレビよりもFM-VICSの感度が心配でしたが、以前のブースター付分配器で車内蔵ロッドアンテナから分配していた時と遜色ないようです。お金はかかりましたが非常にすっきりして満足です。

パルウス全景写真
完成後のフィルムアンテナ。実際見るとこの写真よりも目立ちませんし、走行時に気になることもありません。
パルウスUHF部の写真
UHF用アンテナは法廷点検票に合わせた円型。

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2001.8.20

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